2016年3月14日月曜日

不服申立て3



3月も中旬、少しずつ春らしい日もありながら、
真冬のような日もあり、寒暖の差が激しく、
風邪をひいたりしていませんか?

さて、1月に、不服申立ての改正について紹介しましたが、
その際、「異議申立て」手続の廃止というものを挙げています。
今回は、それに関してです。

従来、行政不服審査法において、
「法律に異議申立てをすることができる旨の定めがあるとき」は、
異議申立てをすることができるとされていました。
で、異議申立ての仕組みそのものが廃止されたことから、この規定も削除されました。

社会保険労務士試験の範囲では、この異議申立てに関しては、徴収法で、
「事業主は、第15条第3項(概算保険料の認定決定)又は第19条第4項(確定
保険料の認定決定)の規定による処分について不服があるときは、異議申立てを
することができる」
という規定がありましたが、連動して、この規定は削除されました。
この規定だけではなく、「不服申立て及び訴訟」の規定がすべて削除されています。
つまり、徴収法から不服申立てに関する規定はすべてなくなったといういことです。

ですので、徴収法に関する処分に不服がある場合は、行政不服審査法に基づいて
審査請求をすることになります。

それと、労災保険法の「事業主からの費用徴収」に関する処分について、
従来、前述の徴収法の規定が準用されていたので、その処分の不服については、
異議申立てをすることができました。
しかし、こちらも、規定が削除されました。
ですので、その不服については、行政不服審査法に基づいて審査請求をすることに
なります。

ということで、「異議申立て」の仕組みがなくなったことで、
「労災保険法に基づいて労働者災害補償保険審査官に審査請求することができる
ようになった」なんて出題があるかもしれませんが、「事業主からの費用徴収」に
関する処分の不服は、労災保険法に基づいては行うことはできませんので、
この点、間違えないようにしておきましょう。