みなさん、こんにちは。
先月、労働契約法の改正について、
1つお伝えしましたが、
今回は、さらにもう1つです。
「期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止」
のほかに、
「有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換」
という規定が設けられています。
この規定、簡単に言うと、
有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合に、
有期契約労働者の申込みにより、その労働者の労働契約を、
期間の定めのない労働契約(無期労働契約といいます)に転換させるものです。
条文では、
同一の使用者との間で締結された2以上の有期労働契約(契約期間の始期の
到来前のものを除く)の契約期間を通算した期間(「通算契約期間」という)
が5年を超える労働者が、当該使用者に対し、現に締結している有期労働
契約の契約期間が満了する日までの間に、当該満了する日の翌日から労務が
提供される期間の定めのない労働契約の締結の申込みをしたときは、使用者
は当該申込みを承諾したものとみなす。
としています。
「2以上の有期労働契約」とあるように、複数の契約期間を通算して5年を
超える場合に、労働者に申込みの権利が発生します。
で、「契約期間の始期の到来前のものを除く」とあります。
たとえば、3年の労働契約を更新し、再び3年の労働契約を締結したとします。
更新後の労働契約の期間が始まれば、契約期間の始期が到来していることに
なります。
ですので、この場合は、更新後の労働契約の期間が始まっていれば、
通算契約期間が5年を超えていることになるので、
「無期労働契約」の申込みが可能になります。
そこで、「無期労働契約」に切り替わった場合の労働条件について、
この場合において、当該申込みに係る期間の定めのない労働契約の内容
である労働条件は、現に締結している有期労働契約の内容である労働条件
(契約期間を除く)と同一の労働条件(当該労働条件(契約期間を除く)
について別段の定めがある部分を除く)とする。
と規定されています。
契約期間については、有期から無期に変わるので、除かれますが、
それ以外の部分は、原則として有期労働契約を締結していたときのものと
同じになります。
「別段の定めがある部分を除く」とあるように、就業規則などに、
何らかの定めがあれば、同一ではなく、その定めに基づくことになります。
それと、この規定に関連して、「クーリング期間」というものがあるのですが、
長くなってしまうので、次回、お伝えします。
それでは、みなさん、頑張って下さい。